2008.11.21[金] ライトフライヤーシミュレータ First Flight
Bihrle Applied Research.Inc.という会社が開発して、日本ではシステムソフトアルファが販売元となる
「First Flight - The Wright Experience -」というライトフライヤーを題材にした珍しいフライトシムを
インストールしてみた。だいぶ以前にワゴンセールかなにかで安く売ってたのを(元々の定価自体 \2,100
と安いが)、買ったはいいがそのまま棚に放置してあったのを、来月17日のライト兄弟初飛行の記念日を
祝おう!ということでインストールする気になったのだ(本当は単にふと思い出したのでやってみただけ)
このソフト、MFFSのアドオン等ではなくオリジナルで単体開発したシムだが、そういう場合でも大抵は何か
既存ソフトをベースにカスタマイズしただけ、ってのが相場なので正直あまり期待してなかった。ところが
実際にやってみると予想外にきっちり作られていて感心してしまった。
既存のシムをベースにしてるかどうかはわからないが、すくなくともフライトモデルについては独自に開発
して作りこんでいるのは間違いない。

プログラムは完全に英語版そのままで、ペラペラの日本語マニュアルがついているだけだが、プレイ内容は
そもそもただフライヤー号を操って飛ぶだけなので、とりたてて英語が読めなくても困ることはない。
(もちろん飛行機関連の知識は必要)
パッケージ等の紹介文によると、実物大のフライヤー号を模型復元し、それをつかった風洞実験によって
得られたデータに基づきシミュレーション部分を作成したそうだ。
数年前にライト兄弟初飛行100周年記念としてライトフライヤーを復元するイベントがあったようなので、
おそらくそういったイベントの一環で採取したデータのことなのかもしれない。
ソフトの公式サイトとして示されているサイトを見に行くとそれっぽいサイトにたどり着くので、あるいは
このソフト自体がイベントの一部だったのかもしれない。
さてさっそくプレイしてみよう。
セッティング画面で、フライトモデルの簡単なのとリアルのが選べて、初期では簡単設定になっているから
フライトシマーとしてはもちろんまずここをリアル設定しておく。
もちろんジョイスティックはラダーペダルやスロットルモジュールなどそれぞれ別々に設定ができる。
ただし英語版なので表示がバケて読めないが、いわゆる軸名を選んで割り当てたい軸を操作する一般の
スタイルだから読めなくてもなんとかなる。ペラピッチもミクスチャーもなにもないんだから設定は
アッという間に終わる。そもそも本物のフライヤーはスロットルもなかったそうだ。
フルスロットルでも離陸すらギリギリなんだから有っても意味無いだろ、って事なのかどうかはわからない。



実際フライトしてみた観想だが、なるほど普通のフライトシムの飛行機の操縦感覚とは違う独特の挙動があり
予想外にかなり難しい。リアルなのかどうかわかないけども、たしかにリアルっぽい感じはする。
プレイ動画:
飛ばせる機体は3タイプあって、まずライト兄弟が動力飛行の前に製作して飛行試験を繰り返したグライダー
それからもちろん初代フライヤー号、そしてラダーやエンジンパワー等各種改造が施され量産されて軍にも
納入されたという、フライヤーモデルB。
グライダーと初代フライヤー号は操縦感覚が似ているが、どちらも飛行姿勢を維持するのが異常に難しい。
現実のライト兄弟と同じくまずはグライダーで操縦感覚を身につけないと、たとえ普通のフライトシムに充分
慣れていたとしても、フライヤー号をキティホークの空に無事に浮かせることは不可能といっていい。
今回このソフトのおかげで、ライト兄弟の飛行について改めて知ったことが色々あったが、その一つがこの
フライヤー号の異常な操縦の難しさだ。なんでも100年記念イベント関連のある研究では、フライヤー号は
この設計のままで現代に復元しても操縦は不可能!という結論が出たそうだ。
※事実、イベントではとうとうマトモに飛べなかったらしい。
原因の第一はエンジンの出力不足であり、第二は安定性のなさによる操縦の困難性による。
エンジンの出力不足については初飛行の場所であるキルデビルヒルズの強い海風のおかげで揚力を稼げた
というのが通説のようだが、そうなると第二の原因を果たして人間ワザで克服可能なのかが課題となる。
もしこのソフトの操縦感覚が本物に近いならば克服は可能な範囲だと思う。コツはとにかくエレベータを
細かく修正してピッチを安定させることだ。この機は、機首上げがちょっとでも大きすぎて失速し始めると
突然ものすごいピッチアップモーメントが発生して木の葉落としのように墜落する。
ちょうど紙飛行機を上向きに失速させるようにむりやり飛ばしたときの動きとそっくりな感じだ。
だから、絶対に機首を上げすぎないように(しかし下げすぎないように)、常にほぼ水平にきっちり保つ
必要がある。姿勢計器はないので、目の前のエレベータと水平線の位置関係を目安にする。
またラダーが無いので横滑りは修正できず、しかも滑り始めるとすぐに速度が落ちるのでバンクも水平を
保つよう注意する。ただロールはピッチほど敏感ではないので神経質にならなくても普通に修正できる。
もっとも現実の世界では風は不安定だし(シム内では定常風のみ)操縦はねそべってロールは体を左右に
ゆすってやらないといけないし、砂は目に入るしで、シムほど簡単ではないだろうけどね。
逆にリアルではシムより圧倒的に良好な視界や感覚でわかる事が増えて飛ばしやすくなる部分もあるから
差し引きで考えるなら、訓練さえすればなんとか飛べたんじゃないかな。

コツを理解して段々飛ばせるようになってくると海岸越えなども可能なくらいに飛ばせるようになった。
海を越えたあと、このまま海面に不時着するとどうなるのかやってみたら、海にも着陸できた。
どうやらこの時期のキティホーク沖の海は凍結しているらしい。

段々慣れてきたので、フライヤー号で離陸してぐるっとまわって離陸地点の小屋まで戻れるかどうかトライ
してみた。

できた。
飛行終了すると記録を英文で説明してもらえるが、直線距離でなくグルッと周回を加算した距離だった。
やってて思ったが、この不安定な機を細かく舵を当てながら安定に保つ操作感覚とそれに慣れる感じが、
自転車に似ている気がした。ライト兄弟が自転車屋だったのと、フライヤー号の操縦感覚には案外なにか
関連があるかもしれない。
フライヤーBは、ラダー機構などが追加され、エンジンも改良されて安定も良くなった量産タイプで
これはエンジンが非力なだけで操縦感はほぼノーマルだ。
速度管理に注意さえすれば周回飛行も普通にできる。
周回飛行してみた動画:
グラフィック等はとくに目新しい部分はなく、ライトフライヤー号が細かく作りこまれてる以外は
オブジェクトもほとんど無い殺風景なシーナリーを飛行するだけなので、通常のフライトシムが動作する
環境ならばシーナリーの複雑さをMAXに設定してもきわめて快適なフレームレートを得られる。
操縦感覚を楽しむのがメインのシムだから、不必要に画面を作りこまれて重くなっても困るので
こんなもんだと思う。安いし。
エンジン音や風切り音以外にも背景サウンドとして海の音とカモメの鳴き声や小鳥がさえずる音がするのが
なかなか雰囲気があってよい。まあ単なるバックグランドループサウンドなので、その点ではリアル感は
あんまりないんだけど。
ふと思い出したのが、Micro Flight というフライトシムで、このソフトの場合はハンググライダーで
飛んでいる鳥の傍を通ったときに鳴き声がしたりするのが雰囲気があって好きだった。フライトシムは
映像だけでなくサウンド面の(3次元的)リアリティを追及する、という方向もアリかもしれない。
しかしこのシム、いつのまにかひっそり発売されてひっそり消えていった感じで、まあたしかに凄い!
名作!ってほどのものではないけど、人知れず消え去るのはちょっと惜しいソフトだと思う。
(とか偉そうにいってますが、最近まで買って放置してました)
「First Flight - The Wright Experience -」というライトフライヤーを題材にした珍しいフライトシムを
インストールしてみた。だいぶ以前にワゴンセールかなにかで安く売ってたのを(元々の定価自体 \2,100
と安いが)、買ったはいいがそのまま棚に放置してあったのを、来月17日のライト兄弟初飛行の記念日を
祝おう!ということでインストールする気になったのだ(本当は単にふと思い出したのでやってみただけ)
このソフト、MFFSのアドオン等ではなくオリジナルで単体開発したシムだが、そういう場合でも大抵は何か
既存ソフトをベースにカスタマイズしただけ、ってのが相場なので正直あまり期待してなかった。ところが
実際にやってみると予想外にきっちり作られていて感心してしまった。
既存のシムをベースにしてるかどうかはわからないが、すくなくともフライトモデルについては独自に開発
して作りこんでいるのは間違いない。

プログラムは完全に英語版そのままで、ペラペラの日本語マニュアルがついているだけだが、プレイ内容は
そもそもただフライヤー号を操って飛ぶだけなので、とりたてて英語が読めなくても困ることはない。
(もちろん飛行機関連の知識は必要)
パッケージ等の紹介文によると、実物大のフライヤー号を模型復元し、それをつかった風洞実験によって
得られたデータに基づきシミュレーション部分を作成したそうだ。
数年前にライト兄弟初飛行100周年記念としてライトフライヤーを復元するイベントがあったようなので、
おそらくそういったイベントの一環で採取したデータのことなのかもしれない。
ソフトの公式サイトとして示されているサイトを見に行くとそれっぽいサイトにたどり着くので、あるいは
このソフト自体がイベントの一部だったのかもしれない。
さてさっそくプレイしてみよう。
セッティング画面で、フライトモデルの簡単なのとリアルのが選べて、初期では簡単設定になっているから
フライトシマーとしてはもちろんまずここをリアル設定しておく。
もちろんジョイスティックはラダーペダルやスロットルモジュールなどそれぞれ別々に設定ができる。
ただし英語版なので表示がバケて読めないが、いわゆる軸名を選んで割り当てたい軸を操作する一般の
スタイルだから読めなくてもなんとかなる。ペラピッチもミクスチャーもなにもないんだから設定は
アッという間に終わる。そもそも本物のフライヤーはスロットルもなかったそうだ。
フルスロットルでも離陸すらギリギリなんだから有っても意味無いだろ、って事なのかどうかはわからない。



実際フライトしてみた観想だが、なるほど普通のフライトシムの飛行機の操縦感覚とは違う独特の挙動があり
予想外にかなり難しい。リアルなのかどうかわかないけども、たしかにリアルっぽい感じはする。
プレイ動画:
飛ばせる機体は3タイプあって、まずライト兄弟が動力飛行の前に製作して飛行試験を繰り返したグライダー
それからもちろん初代フライヤー号、そしてラダーやエンジンパワー等各種改造が施され量産されて軍にも
納入されたという、フライヤーモデルB。
グライダーと初代フライヤー号は操縦感覚が似ているが、どちらも飛行姿勢を維持するのが異常に難しい。
現実のライト兄弟と同じくまずはグライダーで操縦感覚を身につけないと、たとえ普通のフライトシムに充分
慣れていたとしても、フライヤー号をキティホークの空に無事に浮かせることは不可能といっていい。
今回このソフトのおかげで、ライト兄弟の飛行について改めて知ったことが色々あったが、その一つがこの
フライヤー号の異常な操縦の難しさだ。なんでも100年記念イベント関連のある研究では、フライヤー号は
この設計のままで現代に復元しても操縦は不可能!という結論が出たそうだ。
※事実、イベントではとうとうマトモに飛べなかったらしい。
原因の第一はエンジンの出力不足であり、第二は安定性のなさによる操縦の困難性による。
エンジンの出力不足については初飛行の場所であるキルデビルヒルズの強い海風のおかげで揚力を稼げた
というのが通説のようだが、そうなると第二の原因を果たして人間ワザで克服可能なのかが課題となる。
もしこのソフトの操縦感覚が本物に近いならば克服は可能な範囲だと思う。コツはとにかくエレベータを
細かく修正してピッチを安定させることだ。この機は、機首上げがちょっとでも大きすぎて失速し始めると
突然ものすごいピッチアップモーメントが発生して木の葉落としのように墜落する。
ちょうど紙飛行機を上向きに失速させるようにむりやり飛ばしたときの動きとそっくりな感じだ。
だから、絶対に機首を上げすぎないように(しかし下げすぎないように)、常にほぼ水平にきっちり保つ
必要がある。姿勢計器はないので、目の前のエレベータと水平線の位置関係を目安にする。
またラダーが無いので横滑りは修正できず、しかも滑り始めるとすぐに速度が落ちるのでバンクも水平を
保つよう注意する。ただロールはピッチほど敏感ではないので神経質にならなくても普通に修正できる。
もっとも現実の世界では風は不安定だし(シム内では定常風のみ)操縦はねそべってロールは体を左右に
ゆすってやらないといけないし、砂は目に入るしで、シムほど簡単ではないだろうけどね。
逆にリアルではシムより圧倒的に良好な視界や感覚でわかる事が増えて飛ばしやすくなる部分もあるから
差し引きで考えるなら、訓練さえすればなんとか飛べたんじゃないかな。

コツを理解して段々飛ばせるようになってくると海岸越えなども可能なくらいに飛ばせるようになった。
海を越えたあと、このまま海面に不時着するとどうなるのかやってみたら、海にも着陸できた。
どうやらこの時期のキティホーク沖の海は凍結しているらしい。

段々慣れてきたので、フライヤー号で離陸してぐるっとまわって離陸地点の小屋まで戻れるかどうかトライ
してみた。

できた。
飛行終了すると記録を英文で説明してもらえるが、直線距離でなくグルッと周回を加算した距離だった。
やってて思ったが、この不安定な機を細かく舵を当てながら安定に保つ操作感覚とそれに慣れる感じが、
自転車に似ている気がした。ライト兄弟が自転車屋だったのと、フライヤー号の操縦感覚には案外なにか
関連があるかもしれない。
フライヤーBは、ラダー機構などが追加され、エンジンも改良されて安定も良くなった量産タイプで
これはエンジンが非力なだけで操縦感はほぼノーマルだ。
速度管理に注意さえすれば周回飛行も普通にできる。
周回飛行してみた動画:
グラフィック等はとくに目新しい部分はなく、ライトフライヤー号が細かく作りこまれてる以外は
オブジェクトもほとんど無い殺風景なシーナリーを飛行するだけなので、通常のフライトシムが動作する
環境ならばシーナリーの複雑さをMAXに設定してもきわめて快適なフレームレートを得られる。
操縦感覚を楽しむのがメインのシムだから、不必要に画面を作りこまれて重くなっても困るので
こんなもんだと思う。安いし。
エンジン音や風切り音以外にも背景サウンドとして海の音とカモメの鳴き声や小鳥がさえずる音がするのが
なかなか雰囲気があってよい。まあ単なるバックグランドループサウンドなので、その点ではリアル感は
あんまりないんだけど。
ふと思い出したのが、Micro Flight というフライトシムで、このソフトの場合はハンググライダーで
飛んでいる鳥の傍を通ったときに鳴き声がしたりするのが雰囲気があって好きだった。フライトシムは
映像だけでなくサウンド面の(3次元的)リアリティを追及する、という方向もアリかもしれない。
しかしこのシム、いつのまにかひっそり発売されてひっそり消えていった感じで、まあたしかに凄い!
名作!ってほどのものではないけど、人知れず消え去るのはちょっと惜しいソフトだと思う。
(とか偉そうにいってますが、最近まで買って放置してました)
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